飛鳥4~宝亀元:大和(奈良県)の人。中務大輔阿部舟守の子。仲麿とも書く。霊亀2年(716)16歳で遣唐留学生に選ばれ、翌、養老元年に吉備真備・僧玄ぼうらと唐に出発、唐にあっては仲満・朝衡と称する。唐の玄宗に仕え、王維や李白などと交渉があった。天平勝宝5年(753)遣唐使藤原清川らと明州から帰国を試みるが失敗し、安南に漂着する。また唐に戻り安南都護に抜擢され、大唐光禄夫などに至る。古今集に自作一首載る。「あまのはら ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」