タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-
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かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。
33ぬま沼せい青た田どう銅いち一さる猿が雅おき置もの物Bronze ornament, "Monkeys"明治19-20世紀鋳金3匹の猿が猿山に登る様子を表す。それぞれの猿の(一雅)足裏に「弌雅型/整乗鋳/金田記」の銘があり、沼田が原型を制作したとわかる。「鋳」は鋳造、「記」は博覧会等への出品者としての記載である。猿は青銅、猿山は木製と、素材の特徴を生かした表現がみられ、明治期に特徴的な異素材の組み合わせの妙を楽しめる。猿の毛並は細かに彫り込まれ、豊かな表情を浮かべた顔や手足の指先は細部まで写実的せっせいに作りこまれている。竹内久一に木彫を、岡崎雪声に?型鋳造を学び、それぞれの素材を使いこなした沼田の力量がうかがえる。沼田一雅は1900(明治33)年のパリ万博で一等金牌を受け、その後渡仏してセーブル製陶所で陶器彫刻を研究した。帰国後は官展に陶彫を発表し、陶芸界に新分野をひらいた。(AT)22