タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-
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かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。
44宗義てつ鉄じ自ざい在へび蛇おき置Articulated snake, ironもの物大正-昭和初期20世紀小さなパーツを多数組み合わせ、まるで生き物のような動きを実現したものを「自在」と総称する。その遺品は江戸時代にさかのぼり、主に甲冑師の明珍一族らによって制作された例などが存在する。題材は蛇や鳥、昆虫、龍、魚など、素材は鉄や銅が多い。■本作が動く様子〔動画が開きます〕本作の全長は約1mで、輪になった鱗型のパーツが組み合わさることで本物のように動く。口も開くようにできており、舌も内蔵されている。銘は、頭部の顎裏に陰刻で「宗義」とある。(YT)29じゅう十きん金いち一ぎん銀だい代ぞう象みや宮がん嵌ざき﨑かん寒しょうじょう猩々ち雉うす薄ばた端Flat-topped vase, in shape of Shojo, gold and silver inlay1882(明治15)年鋳金うすばた薄端は筒状の器体に広い上皿をもつ花器をいう。本作では頭上に掲げた大盃を上皿として薄端に見立てている。細かな象嵌が施されており、膝には銀象嵌、胴の前掛けや袖の内側には金、銀、銅、しゃくどう赤銅(銅に金を含んだ黒い合金)により、鳳凰やしょうじょうひしゃく桐が表される。猩々、大盃、毛髪、柄杓の4つの部品で構成され、大盃は両手および背中にさした柄杓で支えている。猩々とは中国の想像上の生き物で、人間の子供のような姿の愛嬌ある存在。能楽の演目「猩々」は、演者が赤い髪に赤づくめの装いで舞い、酌めども尽きぬ酒壺を与え祝福する縁起のよい内容である。銘は、猩々裏側に「宮﨑彦九郎作」、大盃の高台に「明治十五年寒雉作」とある。(YT)25