タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-
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かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。
39よね米かも氈ざわ沢しか鹿ひろ弘もん文やす安てつ鉄うち打だし出か菓し子き器Confectionery box, design of Japanese serows,iron embossment1928(昭和3)年鍛金第9回帝展第9回帝展入選作。鉄製の菓子器である。蓋は円形に切り抜かれ、カモシカの親子を打ち出した銀板が嵌め込まれる。カモシカの輪郭や毛並みは金象嵌で表現され、繊細な曲線からはあたたかみが感じられる。蓋の周縁には、コマクサやミヤマリンドウなど、高山植物を透彫した真鍮が嵌め込まれる。鍛金・彫金・象嵌などの金工技術を結集させた米沢弘安の代表作。カモシカや高山植物の図案は、白山を愛した日本画家・玉井敬泉(1889-1960)によるもの。自然への慈愛に満ちた玉井ならではのデザインである。米沢は玉井へ度々図案の依頼をしており、それらには米沢の傑作となったものも多い。彼らの出会いは幼少期に遡り、生涯にわたって深い親交が続いた。(AS)26