タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-

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かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション- の28ページ目の概要です。

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概要

かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。

43よね米きん金ざわ沢ぎん銀ひろ弘ぞう象やす安がん嵌おし鴛どり鴦こう香ろ炉Incense burner, in shape of mandarin duck,gold and silver inlay1970(昭和45)年彫金おしどり雄の鴛鴦の姿をした香炉で、背部の羽の一部を蓋とし背に煙出しを配す。様々な文様が用いられ、変化に富んだ造形的な作品だが、品よくまとまっている。眼を金と赤銅、胸部の花唐草文を銅と朧銀、波状に表現された腹部の羽文を銀で象嵌する。それぞれの金属がもつ特有の色調と光沢を巧みに使い分けた、米沢の代表作のひとつである。鴛鴦香炉は米沢が好んだ題材であり、日本伝統工芸展や現代美術展の出品作など、戦前から戦後にかけて何度も繰り返し制作されている。なお、本作はひゃっかにち米沢の百箇日にあたり芳野夫人から当館へ寄附されたもの。(AS)28