タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-
- ページ
- 41/60
かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション- の41ページ目の概要です。
各ボタンで、目的のページを開いてください。
かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション- の41ページ目の概要です。
各ボタンで、目的のページを開いてください。
かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。
65なか中ぞう象がわ川がん嵌まもる衛おぼろ朧ぎん銀か花き器しん「岑せき寂じゅ樹りん」林Vase, "Desolate mountains", inlay on oborogin base2001(平成13)年彫金第48回日本伝統工芸展日本工芸会保持者賞し中川が好んで使用する朧銀(四ぶいち分一)を素材に用い、鋳造したボディに平象嵌で加飾している。金、銀、赤銅、朧銀で遠近感のある山を、重ね象嵌による唐松林で奥深さを出し、心情を風景にデザイン化した叙情的な作品である。ここで用いられる重ね象嵌とは、象嵌した上からさらに別の金属で象嵌を施す技法のことで、高い技術を必要とする。中川衛は1947(昭和22)年金沢市生まれ。1971(昭和46)年金沢美術工芸大学産業美術学科卒業。前田育徳会所蔵の加賀象嵌鐙に感銘を受け、工業試験場に勤務しながら、1974(昭和49)年から金工家・高橋介州に師事する。1979(昭和54)年第26回日本伝統工芸展初入選。2004(平成16)年重要無形文化財「彫金」保持者に認定。現在、加賀象嵌の技術の伝承・保存に努めながら作家活動を行う。(RN)41