タイトル:かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-
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かねは雄弁に語りき-石川県立美術館の金属コレクション-の作品解説電子ブックです。
7しょ初ふく福だい代じゅ寿みや宮かい海ざき崎お尾かん寒だれ垂ち雉がま釜Tea kettle of odare type, with inscription "Fuku-ju"江戸17-18世紀仙叟宗室好みとされる釜のひとつで、裾が波のように不規則に垂れる尾垂釜である。口が広く、そのくわがた立ち上がり部分をやや内側に繰り込み、鐶付は鍬形とする。共蓋は虫食いのある侘びたものとなっていはだおり、鋳肌や附属の鐶にも同様の味わいがみられる。菊の摘みの替蓋が附属する。胴の前後にそれぞれ「福」「寿」の文字を鋳出し、その間には飛沫をあげる荒波が波頭とともに表現される。これはふくじゅ観音の功徳の広大さを海に例えて称賛した「福寿かいむりょう海無量」(『法華経普門品』より)に由来したものである。(AS)8じゅう十かしわ柏に二ば葉だい代みや宮もんがま文釜ざき﨑かん寒しょ初ち雉だい代かん寒ち雉うつし写Tea kettle, design of oak leaves, in the style of Miyazaki Kanchi I1962(昭和37)年うばくち姥口の平釜で、肩は丸みをもって内へ入り込み、胴の前後に大きな柏の葉が1枚ずつ肉高に鋳出さわらたばれている。藁束で地肌を荒らしており、鐶付は竹節、蓋は銅製である。肩に小さな穴があるが、これは湯をあけきるときに都合のよいように工夫されたものである。仙叟宗室好みと伝承される初代寒雉作「柏釜」の写しである。十二代宮﨑寒雉は金沢生まれ。本名豊作。父である十一代寒雉に師事。1909(明治42)年に東京美術工芸展入選。ロンドン日英博覧会、パリ万国装飾博覧会に出品。1914(大正3)年東京大正博覧会入選。1959(昭和34)年金沢市文化賞受賞。1961(昭和36)年「鋳工技術(茶の湯釜)」で石川県指定無形文化財保持者に認定される。(RN)7