展覧会
天神画像と文房具
前田家が家祖と崇める菅原道真の忌日が2月25日であることにあわせて、毎年この時期には「天神画像と文房具」をテーマとした特集展示を行っています。「文房具」から連想するように、道真は「学問の神様」として崇められますが、さまざまな姿で描かれた「天神画像」は、「学問の神様」以外の道真の姿を伝えています。
敷物に座す道真を描いた《胞輪天神画像》(ほうりんてんじんがぞう)ですが、よく見るとその表情は目を見開き、何かを睨みつけているようです。両肩も鋭く上がっています。本図は、束帯(そくたい)姿であることから「束帯天神」とも称されますが、「怒り天神」とも呼ばれます。道真が座す敷物は、実は大宰府へ向かう船の中でとりあえず用意された綱を巻いただけのもので、道真は惨めさのあまり、怒りをあらわにしたのでした。
《縄敷臨水天神画像》(なわしきりんすいてんじんがぞう)は、真っ白な髪の道真が水面を見る姿です。苦悩の余り、一夜にして白髪(一夜白髪天神)になった道真は、大宰府の川面に映った自らの姿に驚いたという「水鏡天神」の逸話に基づいています。
一方、梅の枝を持ち中国風の姿で描かれた道真像もあります。《渡唐天神像》です。道真は後に中国へ渡り法衣を受けたという、中世の禅僧の間で語られたエピソードに基づき描かれました。《渡唐天神画像》は真正面姿がほとんどですが、前田育徳会が所蔵する江戸時代の画僧月僊(げっせん)が描いた画像は、少し体を右に傾けているのが特徴です。
基本情報
会期 |
2024年2月17日(土)~ 2024年3月20日(水) |
---|---|
開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
|
会場 | 前田育徳会尊經閣文庫分館 |