展覧会
コレクション展:絵画・彫刻
優品選
季節は師走。日本画分野から季節の優品として、石川義《冬の水路》を紹介します。石川は日本の原風景を描いた画家ですが、昭和30年代に日本を席巻した抽象表現の影響から、制作に行き詰まります。しかし本作は、そのピュリスム的な表現が冬の風景という主題にマッチし、冬の冷気までも表現することに成功しています。
油彩画分野から紹介するのは、自然賛美の風景画を描く森本仁平の《湖畔のはす田》です。「日常的な視野の中で、事実に即した実感としての詩情を大切にしたい」と語る森本の作品は、丹念に描写がなされ、広大な大気が広がります。見る者に静けさと懐かしさ、そして暖かい心情を誘う作品をお楽しみください。
彫刻分野からは、梶本良衛《ワ・タ・シ今ナニヲ》をご紹介します。作者は一貫して自身(ワタシ)の心境や状況を作品として表現しています。腰を僅かに曲げ、細い足で立つ人物像。表面には漆を塗り磨き、木と漆の質感が対比されます。本作において作者は「もう一度、これから立ち上がろう」という気持ちを表したと語っています。
彫刻家の作品から高田博厚の版画作品も紹介します。版画の伝統が長い欧州に27年滞在をしていた高田は、「画家・彫刻家が常に勉強しなければならないのは素描と版画」という言葉を残しています。また、「素描の勉強は自分の脚が常に大地についているかどうかの試験」と捉え、毎日素描に取り組んでいました。

基本情報
会期 |
2023年12月1日(金)~ 2023年12月24日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第3展示室、第4展示室、第6展示室 |