展覧会
コレクション展:古美術
茶道美術名品展Ⅱ
このたび、重要文化財《染付竜文花生 銘 白衣》安南 をご寄贈いただきました。重要文化財《色絵雌雉香炉》に続いて、重要文化財に指定された歴史的名品をご寄贈いただいたことは、茶道美術をコレクションの柱の一つとする当館にとってありがたいことです。
本作は、わずかに灰色を帯びた白色半磁胎で、円筒形の胴の上下をしぼり、口と底を開いて口縁下に花弁を造り出した珍しい形で、これを白衣観音に見たて、白衣の銘が付けられました。胴には竜文・蓮弁文・波濤文などが染付で描かれており、14世紀後半頃に安南(ベトナム)で作られたと推測される、いわゆる安南染付の代表作です。中国元時代の陶磁の影響が強く反影したもので、同様の作例は世界に例がなく、もと徳川将軍家が秘蔵した名物茶道具である「柳営御物」として伝わりました。
本展では、第2展示室の中央に本作を展示しています。その後方にあるケース中央には、「白衣」にちなんで伝牧谿筆の《観音図》を展示しています。今回は、脇絵として久隅守景の《蓮に翡翠図・笹に兎図》を用い、そして、この三幅対の手前には禅的意味合いから、野々村仁清作の重要文化財《色絵梅花図平水指》を展示しました。こうした名品の協演によって、当地における茶の湯文化の厚みを実感することができます。今回は唐物、高麗物、和物の取り合わせの中で、安南の魅力が一層際立ったのではないでしょうか。

基本情報
会期 |
2023年10月27日(金)~ 2023年11月26日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第2展示室 |