展覧会
茶道美術名品展Ⅰ
今日石川県が茶道文化の拠点となっている歴史的背景として、加賀藩は、藩祖・前田利家、2代藩主・利長が千利休から茶の湯の指導を受け、さらに豊臣秀吉からのキリスト教棄教勧告を拒否して追放との身となった利休の高弟、高山右近も、利休の尽力により客将として迎えていることが挙げられます。千利休没後の茶の湯が、古田織部、小堀遠州、金森宗和らによって進められた大名茶となった時流において、3代藩主・利常が推進した文化政策に大きな影響を与えたのが遠州でした。大名茶興隆の一方で、利休の孫・宗旦は千家の再興とともに利休の佗茶への回帰を強く打ち出しました。利常は遠州、宗和とともに宗旦とも親交があり、宗旦の四男で裏千家4代の仙叟宗室が、晩年の利常に仕えています。利常が1658年に没した後も仙叟宗室と加賀藩の関係は続き、5代・綱紀には1661年に初御見得して以後、30年以上にわたって仕えました。利休没後100年に向けた利休再評価の風潮は、綱紀の美意識にも大きな影響を与えました。
このような背景を持つ加賀の茶道文化は、文化による地域の個性を表明する気風とあいまって、明治維新後も歴史的名品の集積をもたらし、国宝《色絵雉香炉》をはじめ、その一部は当館の重要なコレクションとなっています。今回は重要文化財《色絵梅花図平水指》野々村仁清作、石川県指定文化財《黒樂茶碗 銘 北野》初代長次郎作をはじめ、千少庵と親交があった俵屋宗達の石川県指定文化財《槇檜図》などの名品を展示します。
基本情報
会期 |
2023年9月16日(土)~ 2023年10月22日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第2展示室 |