展覧会
コレクション展:絵画・彫刻
優品選
油彩画分野では明治から終戦までの作品を集めました。宮本三郎《赤いクッション》は、着物をはおり、赤いクッションにもたれる裸婦を描きます。このころ宮本は浮世絵や安井曾太郎の影響を受け、日本的な表現を意識した制作を行いました。本作でも、形態を簡略化し明るい色彩を用いて、近代的で装飾的な画面を作り上げています。昭和10年代の宮本の特徴をよく表した作品です。
彫刻分野からは昨年度新収蔵となった作品をご紹介します。得能節朗《豊穣の祈り》はメソアメリカ文明に伝わる「チャクモール」に裸婦を組み合わせた作品。チャクモールとは儀式の際に生贄をささげる像のことを言います。本作は、作者がメキシコなどを旅行した際に着想を受けて制作したといいます。胸に手をあてた裸婦が腰掛けた姿と異国の像の組み合わせが神秘的な作品です。
日本画分野からは、稲元実《夏日》を紹介します。画中の男女は作者とその妻。鑑賞者に向けられた2人の視線や姿勢はしどけなく、夏雲を想起する白と、枯れかかった向日葵を配した背景とが相俟って、やや暗い印象を醸します。画題の「夏日」は、過ぎ去るひと夏の1日でもあり、人生の盛夏が永遠に続かないことを暗示するかのようです。
基本情報
会期 |
2023年7月29日(土)~ 2023年9月11日(月) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第3展示室、第4展示室 |