展覧会
前田育徳会尊經閣文庫分館
絵画と調度
まだ冷え込む日の多い3月の金沢を離れ、東京へ向かうと、春がもう始まっていることに気づかされます。前田育徳会に隣接する東京目黒区の駒場公園は、都内屈指の桜の名所です。満開を心待ちにする人々の表情と、あたたかい春の日差しを横目に、前田育徳会へ向かいます。
前田育徳会尊經閣文庫分館では、当館で保管する作品だけでなく、展示のテーマにあわせて前田育徳会から拝借した作品も紹介しています。拝借した作品を返却し、また新たに拝借する仕事を行うのが、例年3月あたりです。駒場公園内には、前田家が昭和初期に建てた洋館と和館がありますが、1日の仕事を終え、その和館の庭園を眺めて帰るのが、定番となっています。
3月末からの展示では、育徳会が所蔵する作品の中から、重要文化財の伝雪舟筆《四季花鳥図》屏風をはじめ、春にちなんだ絵画と工芸作品を紹介します。
武家において、馬に乗る際に用いる鞍と鐙を揃えることは必然であり、江戸時代になって泰平の世が続くと、華麗な装飾が施されるようになります。《黒塗村梨子地桜寿帯鳥蒔絵鐙》は、黒の梨子地に、桜と尾の長い寿帯鳥を蒔絵で施した美しい作品です。
広蓋は、衣服を納める箱の蓋からこの名称がつきました。お盆のように納めて渡すのに用います。3つからなる《蒔絵広蓋》は、ひとつに重ねられるようそれぞれ大きさが異なり、模様も異なります。枝垂桜に幔幕模様が華やかに施された広蓋は、そのひとつです。
基本情報
会期 |
2023年3月27日(月)~ 2023年4月18日(火) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般・65歳以上:290円(290円)、大学生:230円(230円)、高校生以下:無料
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会場 | 前田育徳会尊經閣文庫分館 |