展覧会
国宝《剣 銘 吉光》と刀絵図
国宝《剣 銘 吉光》(白山比咩神社蔵)は、1633年に3代将軍・徳川家光の養女大姫(清泰院、水戸徳川頼房の子)が加賀藩4代藩主・前田光高に輿入れした際の持参品で、清泰院が死去した翌年の1657年に、嫡男の5代藩主・綱紀が、母の冥福を祈って白山比咩神社に奉納しました。
現在のところ、本作がどのような経緯で徳川家の所蔵となったかについては不明です。しかし、将軍家の養女に、輿入れの際に持参させるとなれば、名物刀剣にしばしばまつわる俗的な逸話などとは無縁のものだったのでしょう。そして本作が放つ清冽な気品は、前田家と徳川家の緊張関係も和らげたのではないか、との感慨も抱かせます。
《剣 銘 吉光》と同時に、重要美術品《刀絵図》の全体を展示します。刀絵図とは、刀剣鑑識の参考とするため、必要な点を簡潔に図示したものです。本阿弥宗家の9代にあたる本阿弥光徳が1595年に制作した本作には、主として豊臣秀吉の蔵刀40口が収録されています。特に「太閤御物」として名声の高いものなどが、その後の大坂の陣や明暦の大火で焼けたり、消失したりする前の姿で確認できる点でも第一級の史料ということができます。また粟田口吉光が巻頭から12口収録されていることは、この刀工の高い歴史的評価を伝えるものとして注目されます。
基本情報
会期 |
2024年4月21日(日)~ 2024年5月26日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 4月16日(火)~20日(土) |
観覧料 |
4月15日(月)まで一般・65歳以上:290円(290円)、大学生:230円(230円)、高校生以下:無料
4月21日(日)から一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第2展示室 |