展覧会
コレクション展:古美術
古九谷と再興九谷
磁器の表面を鮮やかな彩色により装飾する「色絵」は、日本においてすでに1630年代から行われていたことが有力視されています。では、誰がどのような目的で色絵磁器の開発を九州で行ったのでしょうか。上絵付けの釉薬には、イエズス会が長崎や島原、天草のセミナリオで聖画制作に使用していたと考えられる顔料が使用されていたことが科学分析により明らかになりました。つまり、日本における聖画需要の逼迫を受けて、紙や布より耐久性の高い媒体として、イエズス会が色絵磁器に着目したと考えることができます。しかし1637年の「島原の乱」や、1639年の幕府によるポルトガル船来航禁止によってイエズス会の宣教活動が事実上不可能となったことで、その生産は途絶え、窯や釉薬などの生産基盤は破却・隠蔽されたと考えられます。そのため、イエズス会主導による色絵の技法は有田では継承されず、また歴史を語ることも禁忌されました。
そこで加賀藩3代藩主・前田利常はこの色絵に着目し、古九谷の創製に着手しました。
基本情報
会期 |
2024年6月1日(土)~ 2024年6月23日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第2展示室 |