展覧会
加賀藩の美術工芸
絵画作品では、徳川将軍家とのつながりを示す歴代将軍の自筆画を中心に展示します。将軍自筆の書や絵画は、家臣や朝廷などとのつながりを深めるために、下賜もしくは贈呈されました。これら歴代将軍自筆画は、近年「ゆるい」「かわいい」などと評され注目を集めています。今回は、3代将軍・家光、4代将軍・家綱、12代将軍・家慶の作品をご紹介します。素朴ともいえる将軍自筆の書画からは、将軍のお人柄や日常の暮らしぶりが感じられることでしょう。
工芸作品では、調度や香道具など漆芸作品を中心にご紹介します。特に2代五十嵐道甫の作と伝わる《黒塗布目引出絵替絵具箪笥》、清水九兵衛作《真鳥羽入箪笥》と《老松蒔絵硯箱》は必見です。加賀藩には2代藩主・利長の時代より「御細工所」という武器や武具を修理する組織がありました。3代藩主・利常の時代になると、調度品などの製作や修理を行う組織に転向していきました。五十嵐道甫は京都、清水九兵衛は江戸から、この「御細工所」に指導者として招かれたのです。彼らはここで蒔絵の指導をするとともに、前田家の調度類を作製しました。まさに加賀における工芸技術の礎を築いたといえるでしょう。
本展では、このほか白隠作の《観音羅漢像》や《古九谷色絵中皿》などの名品もあわせて展示します。前田育徳会に伝わる美術工芸作品の数々を、この機会にぜひご覧ください。
基本情報
会期 |
2024年11月9日(土)~ 2024年12月8日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 前田育徳会尊經閣文庫分館 |