展覧会
コレクション展:工芸
優品選〔工芸〕
秋の風景を感じる作品を特集します。そのなかでも今回は、羽田登喜男《友禅訪問着「群鴦惜春」》と《友禅訪問着「群鴦錦秋」》が並んで展示となります。《友禅訪問着「群鴦惜春」》は桜の花が舞い散る下で鴛鴦(おしどり)が仲睦まじくのんびりと泳いでいる様を表現しています。春をイメージした草木の萌える緑の濃淡を蒔蝋の技法で染めた地色の中に色鮮やかな鴛鴦を染めています。白と緑色に染められた桜の花びらは、水面に浮かんだ花びらが影を落としているように見え、一段と奥行きを感じさせます。春の柔らかな陽差しが水面に揺れて、春のぬくもりや春の風までをきかせてくれています。また、対照的に《友禅訪問着「群鴦錦秋」》は紅葉が散る下で鴛鴦が群れになりとどまっている様を表現しています。落ちる紅葉の葉は紅色ではなく、秋から冬をイメージする、静かな空気を感じられる白と青色で染めています。春秋の2点を見比べていると時間のたつのを忘れてしまうかもしれません。
このほか上野為二《友禅赤茶地鶏落葉文訪問着「暁声」》。織の地紋を生かした深みのある赤茶地に金茶色の線描で写実的に鶏を染めています。色数を抑え、上品な仕上がりを感じさせる作品です。このほか優品の数々をたっぷりとお楽しみください。
基本情報
会期 |
2024年11月9日(土)~ 2024年12月8日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第5展示室 |