展覧会
石川県立美術館の能面コレクション
石川県立美術館には、40面の能面が所蔵されています。そのほとんどが加賀藩前田家伝来ですが、これまで特集展示としてまとめて紹介することはありませんでした。今回まとめて25面を展示します。2年ぶりの公開となる重要文化財《緑地桐鳳凰模様唐織》とあわせてお楽しみください。
能面は、シテの役柄に応じて用いられます。老若男女だけでなく、この世に存在しない鬼神、妖精、亡霊をあらわします。さらに男女面は、年代や品格によって数種類あり、その流派でのみ用いられる専用面もあります。今回の展示では、その違いや種類をわかりやすくご紹介します。
まず《小面(こおもて)》を思い浮かべる人が多いと思います。まだ若い女性をあらわす能面です。額から毛筋が3本流れています。その《小面》より少し年を経た女性の面が《孫次郎》で、金剛流の専用面とされています。金剛太夫孫次郎が、亡き妻の姿を思いながらつくられたといいます。《増女(ぞうおんな)》も少し年を重ねた女性をあらわしており、《小面》に比べると、ほほの肉が落ちていることがわかります。
老人をあらわす尉面は、口ひげやあごひげが植えられているか、描かれているかによって、品格が異なります。もっとも品格の高い尉面が、描かれた口ひげを持つ《小尉(こじょう)》です。神性のある役柄に用いられます。その《小尉》に植えた髭を加えたのが、《髭小尉》で、少し劣ります。《朝倉尉》は庶民の役柄に用いられます。
基本情報
会期 |
2024年12月14日(土)~ 2025年2月3日(月) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 12月29日(日)~1月3日(金) |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第2展示室 |