展覧会
よろこびのかたち
人々は古くから長寿、子孫繁栄、立身出世など様々な願いをこめて、身のまわりを飾ってきました。調度や道具、衣服を含む工芸作品には、おめでたい意味が与えられたモチーフや文様が多く登場します。本特集は、縁起のよい題材や吉祥文様による工芸作品を紹介する内容です。
このようなモチーフは、多くが中国から伝わりました。天下が太平になるとあらわれるという龍、鳳凰、麒麟、亀は四瑞(しずい)と呼ばれ、吉祥の前兆とされています。塚谷竹軒《赤絵金彩龍鳳凰図瓢形大徳利》は、高さ約33センチの大きな徳利。龍と鳳凰が絢爛な色彩で描かれています。
中国四明山(しめいざん)の僧である布袋(ほてい)は、禅味に富むその様子から、古くから作品のテーマとなってきました。日本では江戸時代以来、七福神の一人としても数えられています。山田宗美《鉄打出布袋置物》は、大きな袋に寄りかかり柔らかな笑みをたたえる布袋が、鉄打出であらわされています。
植物にも縁起がよいとされるものが多くあります。冬の寒さに耐えながら生き生きと茂る歳寒三友(松、竹、梅)、文人たちが愛した四君子(蘭、竹、梅、菊)、百花の王と呼ばれる牡丹(ぼたん)などは、おめでたい植物の代表的な存在です。本展では、松田権六や初代笹田月暁、寺井直次らがこれらの植物をあらわした優品を展示いたします。
このほかにも、登龍門や蓬莱山、宝尽しに童や鳥など、縁起のよい作品を集めました。華やかな世界をお楽しみいただければ幸いです。
基本情報
会期 |
2024年12月14日(土)~ 2025年2月3日(月) |
---|---|
開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 12月29日(日)~1月3日(金) |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
|
会場 | 第5展示室 |