展覧会
優品選
まだまだ寒さ厳しく、春が待ち遠しい日々。日本画分野から「春のさきがけ」を展示します。2月は如月。如をなす月とは古代から中国に由来する言葉で、万物が神意に従うように現れること。そこに衣を更に着る「きさらぎ」の音を当てています。そして草木がいや生い茂る弥生3月へと移ります。日本人の感性に寄り添う、日本画家の美意識をご覧ください。
油彩画分野では、叙情豊かな白銀の世界を描いた、判三教《待春》をご紹介します。寒中に葉を落とした枯木と上空を舞う鳶を見つめ、一人たたずむ少女は何を思っているのでしょうか。画面の奥に広がる雪深い大地に、やがて訪れる春の芽吹きを想像させます。今回は優品選とあわせて小特集「珠玉の個人コレクション」を展示します。また、大正期を中心に帝展や文展に複数回入選し、石川の洋画壇の先駆者として活躍した伊東哲の水彩画も展示します。伊東は帝展出品作品で不評をかったことから画壇より退き、台湾や中国を制作の場にしています。今回は日本に戻った晩年の、微細な世界を覗き込んだような抽象画の世界をお楽しみください。
彫刻分野からは吉田隆《風景の中の竪琴》をご紹介します。樹木と佇むペガサス、竪琴を持つ人物を、立体とレリーフの組み合わせにより表現した作品。竪琴を持つ人物の、つるりとした幾何学的な顔が目を引きます。作者が表現する特徴的な造形とロマンに満ちた静謐な雰囲気をお楽しみください。
基本情報
会期 |
2025年2月8日(土)~ 2025年3月20日(木) |
---|---|
開館時間 | 9:30~17:30(展示室への入室は17:00まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
|
会場 | 第3展示室、第4展示室、第6展示室 |