展覧会
コレクション展:絵画・彫刻
優品選〔絵画・彫刻〕
日本画・下村正一の《秋》は京都市立美術工芸学校絵画科の卒業制作で、作者18歳のころの若描きです。ややデフォルメされた2頭の狐が野を駆ける姿は、近代日本画の持つ牧歌的な味わいと、画塾「東丘社」を舞台に作者がこの先果敢に挑むことになる、構成的で抽象的な画面づくりを予感させる秀作です。
油彩画分野では、宮本三郎の《歌手》にご注目ください。真っ赤なドレスを身にまとい、熱唱する女性歌手の姿を原色の絵具を厚く塗り重ねて描いています。昭和30年代半ばから40年頃にかけてみられる対象物を強く主張する質感により、歌手の高揚のみならず作画に対する画家の自信さえもが伝わってくるようです。
彫刻分野からは吉田三郎《パリーの女》をご紹介します。男性像や動物彫刻を多く制作した吉田ですが、女性像も制作しています。吉田は昭和6年に古代彫刻研究のためにフランスやイタリアへ外遊しました。本作は、当時パリで出会った女性をモデルにしたものでしょう。小品ながら、端麗な女性の姿を確かに捉えています。
素描・版画作品では、芸術や野菜、果物の実る秋、また、風景など秋をテーマに作品を展示いたします。草間彌生にとって愛するモチーフであったかぼちゃ。草間は立体、平面を問わず網目や水玉を多用したかぼちゃの作品を手掛けています。今回はシルクスクリーンで制作された版画作品をお楽しみください。
基本情報
会期 |
2024年11月9日(土)~ 2024年12月8日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第3展示室、第6展示室 |