展覧会
コレクション展:絵画・彫刻
優品選・床を飾る
日本画は「床(とこ)を飾る」と題して、軸装作品を主に展示します。「床」より「床の間」の方が、耳馴染みがあるのではないでしょうか。「床」は中世に発生し、もともと大陸伝来の軸装絵画を飾る空間でした。「どのような季節に」「どのような場面で」「だれを迎えるのにふさわしいか」と、楽しみながらご覧ください。
第3展示室、油彩画分野では、金地の合戦図屏風を描いた太佐寿一郎《合戦図》にご注目ください。太佐は甲冑をテーマとした作品を制作しており、この作品では合戦図のなかに鎧武者を亡霊のように登場させています。まるで武者が体験した合戦の世界を追想しているかのようで、語り部としての存在を強調し、見る者の想像を膨らませます。
同じく第3展示室では版画作品を展示します。日本の版画は、戦後、海外の国際版画展などで数多くの受賞を受け、国際的にも美術としての価値が認められました。木版画、銅版画、リトグラフ、シルクスクリーンの4つの版種の技法の確立で、版画の技術と表現の改革が一層進んだ現代版画の作品をご覧ください。
彫刻分野では小特集「神、仏、祈り」と題し、神仏や祈りにまつわる作品をご紹介します。田中太郎《音色(おんじき)》は手を口に当てて声を届ける仕草をする木彫像です。仏教の生きる者に対する尊い教えを発している、と田中が語る本作には、自身の信仰する仏教の教えが造形化されています。

基本情報
会期 |
2025年5月31日(土)~ 2025年6月29日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第3展示室、第4展示室 |