展覧会
古美術
「伊年印」の草花図と五十嵐派の蒔絵
「伊年」の印は俵屋の商標として知られています。特に17世紀の半ばから数多く作られるようになった俵屋の草花図には、「伊年」の大ぶりな円形印が捺されることがもっぱらで、琳派といえば円形印というイメージのもとになっています。本展示では、そうした伊年印の草花図を、北陸地方に伝来した作品を交えて紹介します。
そして宗雪・相説と同時期に加賀藩に招かれた蒔絵師の五十嵐家にも注目します。俵屋工房と五十嵐家には法華信仰という共通点があります。洛中の商工業者、いわゆる町衆のうち、宗達はもちろん光悦を輩出した本阿弥家や五十嵐家、刀装具の後藤家など、文化芸術に関わる家柄の多くが法華信徒であり、信仰に基づく縁戚関係がありました。五十嵐家の初代道甫(?~1678)は、前田利常にたびたび招かれて御用をつとめ、二代道甫(1635~1697)は金沢にも住んだと考えられています。法華信仰を同じくし、ともに前田家に招かれて京から金沢へやって来た俵屋と五十嵐家は、時を同じくして加賀の地に花開いたのです。

基本情報
会期 |
2025年4月20日(日)~ 2025年5月25日(日) |
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開館時間 | 9:30~18:00(展示室への入室は17:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 |
一般:370円(290円)、大学生・65歳以上:290円(290円)、高校生以下:無料
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会場 | 第2展示室 |